関東IB認定校の選び方!公立・私立・インターの違いも解説

・関東でどのIB校がうちの子に合っているの?

・公立/私立/インターナショナルスクールの違いって? 

・英語がペラペラじゃないと、IBにはついていけないかな?

IB校選びは日本の一般受験としくみが違うので、情報を整理するだけでも一苦労ですよね。

この記事を読めば、ご家庭の予算や、お子様の英語レベルにぴったりのIB校候補が見えてきます。

IB専門塾の国際バカロレアアカデミーでは、世界トップレベルのIB卒業生が個別指導をしています。

オンラインでどこからでも受講でき、学習計画や進捗(しんちょく)管理も一緒に行いますので、志望校合格への最短ルート設計が可能です。

関東IB認定校の目的別ルート

関東エリアのIB認定校は、大きく4つのタイプに分かれます。 

ご家庭の希望に最も近いルートをチェックし、該当する解説へ進みましょう。

【経済的負担を最小限に】関東エリア国公立IB校

家計に優しいのは、やはり公立のIB校です。

その県や市に住んでいる人・引っ越せる人のみが対象ですが、国の「就学支援金制度」を使って、基本の授業料は実質無料にできます。 

IBコースの教材費・試験費用などで年間20〜30万円ほどかかりますが、それでも私立やインターナショナルスクールの5分の1以下ほどでIB教育が受けられます。

■関東の主な国公立IB校

都道府県区分学校名特徴
東京都都立東京都立国際高等学校・授業は全て英語で行われる。
・海外大学進学への実績が非常に高い。
国立東京学芸大学附属国際中等教育学校・中高一貫校。
・探究学習に強く、帰国生も多い。
・学費をかなり安く抑えられる。
神奈川県県立横浜国際高等学校・公立進学校の中にIBコースを設置。
・英語力強化に特化しており、海外大学と国内難関大の両方を目指せる。
埼玉県市立さいたま市立大宮国際中等教育学校・中高一貫校。
・英語教育とグローバル探究に力を入れている。
・日本語DPも導入しており、英語ネイティブでなくても挑戦しやすい。
国立筑波大学附属坂戸高等学校・総合学科の中にIBコースを設置。
・農業や環境などに結びついたユニークなIB教育。
・「日本語DP」が可能。

まずは、お住まいの地域にある学校のホームページを確認し、受験の選択肢に入るかチェックしましょう。

【国内外両方の大学を狙える】サポートが手厚い私立IB校

私立IB校のメリットは、「手厚い学習サポート」と「進路の安全性」です。

日本の高校卒業資格が得られるため、もし海外進学を断念しても国内大学受験へ切り替えられます。 

また英語DP・日本語DPを選択できたり、放課後の補習体制が整っていたりなど、学校内で学習が完結する環境が整っているのも魅力です。

■関東の主な私立IB認定校

都道府県学校名特徴
東京都玉川学園中学部・高等部(町田市)・日本有数のIB伝統校。
・小学部からのIB一貫教育が有名。
・広大なキャンパスと充実した施設が魅力。
開智日本橋学園高等学校(中央区)・近年、人気/偏差値ともに上昇中。
・英語レベルに合わせたコース分けが魅力。
武蔵野大学附属千代田高等学院(千代田区)・理数探究にも力を入れている。
・武蔵野大学への優先入学制度あり。
神奈川県法政大学国際高等学校(横浜市)・旧「法政女子」が共学化とIB化した学校。
・法政大学への推薦権を持ったまま、他大学受験が可能。
三浦学苑高等学校(横須賀市)・特進コース内にIBコースを設置。
・少人数制で丁寧な指導が評判。
埼玉県昌平高等学校(杉戸町)・「IBコース」として独立しており、部活動との両立も可能。
・英語教育に定評があり、海外大学合格者も増加中。
浦和学院高等学校(さいたま市)・「国際類型」の中にIBコースを設置。
・海外協定校との連携や留学プログラムが豊富。
開智高等学校(さいたま市)・2024年11月にIBDP認定。
・進学校としてのノウハウとIBを融合。
茨城県茗溪(めいけい)学園高等学校(つくば市)・研究学園都市ならではのアカデミックな環境。
・寮生が多く、全国・海外からの入学者も多数。
開智望(のぞみ)中等教育学校(つくばみらい市)・12年一貫のIB教育を行う中等教育学校。
・探究的な学びを重視する校風。
群馬県ぐんま国際アカデミー高等部(太田市)・小中高一貫の英語教育。
・英語力は国内トップクラスで、海外進学が主流。

私立IB校は様々な学びの選択ができますので、気になる学校のホームページで詳細を確認しましょう。

【英語環境で学べる】インターナショナルスクール

「英語で考え、議論する力」や「グローバルな環境・価値観」を優先するなら、インターナショナルスクールがベストです。

授業のすべてが英語で行われるだけでなく、生徒や先生の国籍も多様なので、日本にいながら海外留学と同じ環境で学習できます。

■関東エリア:主なIB認定インターナショナルスクール一覧

都道府県学校名特徴
東京都K.インターナショナルスクール東京(江東区)・世界トップレベルのIBスコアを誇る進学校。
・学問重視で、校則もしっかりしている。
・学費はインターの中では良心的。
アオバジャパン・インターナショナルスクール(練馬区/目黒区)・キャンパス拡張やオンラインコース開設など勢いがある。
・スポーツや芸術など、個性を伸ばす教育方針。
聖心インターナショナルスクール(渋谷区)・女子校。
・カトリック系の伝統校で、落ち着いた環境で学べる。
セント・メリーズ・インターナショナル(世田谷区)・男子校。
・文武両道を掲げ、スポーツや課外活動も盛ん。
神奈川県横浜インターナショナルスクール (YIS)(横浜市)・自由でクリエイティブな校風が特徴。
・新キャンパスに移転し設備が充実。
サンモール・インターナショナルスクール(横浜市)・小規模でアットホームな雰囲気。
埼玉県コロンビアインターナショナルスクール(所沢市)・カナダのカリキュラムがベース。
・入学しやすく、英語サポートも手厚い。

自由度やグローバル色が強い反面、学費や「日本の高校卒業資格が取れるか」など、管理すべきポイントは多いので注意しましょう。

【どこに住んでいてもOK】通信制・寮制のIB校

もし通える範囲にIB校がない場合、「通信制高校」「寮生活」という選択肢もあります。

通学時間をゼロにできるというメリットがあるため、多忙なIB生の学習とも相性がいいです。 

親元を離れた寮生活や、自分のペースで学習計画を立てる通信制は、IBが目指す「自ら考え、行動する人」への成長を後押しします。

【寮のあるIB校】茗溪(めいけい)学園高等学校(茨城県)

つくば市の伝統校で、寮生活のために都内や神奈川県から入学する生徒が多くいます。

広大なキャンパスで、夜間学習のサポートも受けられる環境です。

【通信制】AIE国際高等学校

兵庫県の学校ですが、通信制なので関東在住でも入学できます。

日本の高校卒業資格・IB資格の両方の取得を目指せる学校です。

これらの学校を選べば、満員電車のストレスからも解放された理想の環境が見つかるかもしれません。

関東IB校を検討するなら知っておくべき選択基準

関東には多くのIB認定校がありますが、学校名や偏差値だけで選んでしまうと、学費や学習深度などでミスマッチが起こるかもしれません。 

パンフレットだけでは見落としがちな、志望校選びの判断基準を解説します。

一条校(公立・私立)とインターナショナルスクールの違い

IB校選びで最初に確認すべきポイントは、「一条校(日本の学校)かインターナショナルスクールか」です。 

この2つの大きな違いは、「日本の高校卒業資格が取れるか」と「かかる学費」です。

■ 一条校とインターナショナルスクールの違い

項目一条校(公立・私立)インターナショナルスクール
日本の高卒資格〇(自動取得)△(学校による)
※国際認定がない学校だと高卒認定試験が必要
年間の学費目安公立:数十万円私立:80〜150万円250〜350万円
国の就学支援金対象対象外(一部対象の例外あり)
通学定期(学割)使える使えない場合がある

どちらが良い悪いではなく、「国内の大学に行きたくなった場合の資格」と「家計への負担」をよく考え、冷静に選ぶ必要があるということです。

英語授業か日本語授業か?子供の英語力に合わせた選び方

英語に不安があるお子様は、日本語で学ぶ「日本語DP」を選んだ方が、無理なく学習できる可能性は高いです。

もし英語力が十分でない状態で、歴史や生物といった難しい内容を英語で学ぼうとすると、「内容の理解」ではなく「英語の翻訳」で必死になってしまいます。

その結果、中身の理解が浅くなってしまうという本末転倒な事態になりかねません。

例えば筑波大学附属坂戸高校大宮国際中等教育学校などは、「日本語DP」で高い実績を出しています。

日本語DPでも海外大学への進学は可能ですので、お子様が学びやすい言語環境を選びましょう。

関東エリアの立地とスクールバス事情

志望校を選ぶとき、偏差値やカリキュラムと同じくらい重要なのが通学距離・時間です。

IBの高校生活は取り掛かるものがとても多く、想像以上に忙しくなります。

  • 毎日のレポート・課題
  • 論文執筆
  • CAS(ボランティアなどの課外活動)

もし往復で2〜3時間もある学校だと、課題に取りかかる時間が短くなり、睡眠時間も削られ挫折の原因になりかねません。

家から離れたIB校を検討するなら、下記も一緒にチェックしましょう。

■通勤・通学ラッシュと逆方向か

例えば都心から郊外へ向かうルートなら、朝の通勤ラッシュと逆方向になるため、電車で勉強する余裕ができる場合もあります。

■スクールバスの最終便 

駅から離れている学校も多いため、スクールバスの確認は必須です。

「部活や課題で残って遅くなった時、帰りのバスはあるか?」という時刻表まで見ておかないと、車での送迎が必要になるかもしれません。

3年間通い続けられる通学を考え、IB校をリストアップしましょう。

関東IB校に入ってからの後悔を防ぐポイント3つ

苦労してIB校に入学しても、学習量や言語の壁にぶつかって後悔するケースは少なくありません。

入学後に後悔しないためのポイントを解説します。

「セミリンガル問題」と家庭での国語サポート

インターナショナルスクールや英語中心のコースに入るなら、家庭での「日本語力の維持」が必要だと覚えておきましょう。

なぜなら、日本語も英語も中途半端な状態(「セミリンガル」や「ダブルリミテッド」と呼びます)になってしまうと、どちらの言葉でも深く物事を考えられなくなってしまうからです。

日本語がおろそかになると、結果的にIBの成績も伸び悩んでしまうのです。

  • 日本のニュースを見たり、小説を読んだりする時間を意識して作る
  • ニュースや作品を見た感想を日本語でアウトプットする習慣を持つ
  • 日本語補習校・日本の通信教育を利用し、漢字や語彙力を保つ

英語だけでなく母国語の深さがあってはじめて、世界で通用する英語が使えることを覚えておきましょう。

IBDPのハードさとメンタルケア

IB生の保護者様にとって大事な心構えは、厳しく管理する「監督」ではなく、子供が本音を言える「サポーター」に徹していただくことです。

勉強しなさい!

まだ終わらないの?

と追い込んでしまうと、ただでさえ忙しいIB生のお子様は逃げ場を失い、心身のバランスを崩してしまいます。

  • 進捗を問い詰めない
  • 飲み物や夜食を黙って出してあげる
  • 「無理しすぎないでね」と声をかける

このようなサポートをして、お子様の心のよりどころとなる動きを心がけましょう。

どうしても辛い場合は、「一部の科目修了証だけをもらうコース」や普通科へ切替という選択肢もあります。

保護者のサポートがあるからこそ、子供は安心して挑戦し続けられるのです。

関東の難関大学へ進む「IB入試」の活かし方

海外大学への進学だけでなく、関東の難関大学を目指す上でも、IBの資格は強力な武器になります。

現在の大学入試では総合型選抜(受験生の探究心・論文を書く力・実績を評価)IB特別入試でもIB資格が活用できるので、苦手な科目で受験せず有利に勝負ができるのです。

  • 慶應義塾大学
  • 早稲田大学(国際教養学部)
  • 上智大学
  • 筑波大学
  • 東京科学大学(医学部)

これら有名な国公立・私立大学でも、IBスコアを出願資格の一つとするケースが増えてきています。

国内大学へ進むためのルートとして、IB資格を活用することも検討しましょう。

関東IB校選びは「子供の性格」と「家庭のライフプラン」で決まる

「関東エリアのIB認定校の選び方と、後悔しないための判断基準」について解説しました。 

  • 学費を抑える「公立」、手厚いサポートの「私立」、英語環境の「インター」から、家庭の方針に合うものを選ぶ
  • 無理に英語だけで学ばず、子供が深く思考できる言語を選択する。
  • 3年間のハードな学習を支えるため、通学時間は必ずチェック。

・今の英語力で、授業についていけるか不安…

・公立IB校の入試対策や、面接の練習はどうすればいい?

・海外と国内、どちらの大学も考えて学習計画が知りたい!

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